「頻尿の対策」 
 
 ・「水分不足は、脳梗塞、心筋梗塞のリスク要因。健康のため、こまめに水を飲みましょう。」は間違い。脳梗塞、心筋梗塞 には、
 水分不足より、  高血圧、高脂血症、他の対策が重要。最近は水分取り過ぎ。水分取り過ぎでの頻尿は問題。

 ・頻尿とは、一日8回以上が頻尿。夜間頻尿は一回でも起きれば頻尿。夜間尿が一日の三分の一以上なら夜間多尿。

 ・尿の元、原尿は、何と、一日180リットル(ほぼドラム缶1本分)作られ、腎臓で99%は回収され、残り1%が尿として排泄される。
 (何と人体とは神秘な塊り。これを知ってだけでも、この講座聴講の値打ちあった。)


 ・一日の水分収支。
 ( IN )   食事    1000cc                   ( OUT ) 便       200cc
       代謝水    300cc  (体内で作られる)                 呼吸、汗    900cc
       飲み物     1000cc                            尿      1200cc
        合計    2300cc                              合計  2300cc

 結論として、一日、1000ccの水分を摂ればよい。1000ccの水分とは、食事の時の味噌汁、120ccが朝、晩で240cc.。食事の時のお茶、
 150ccが朝、昼、晩で450cc。コーヒ一日二杯で、300cc.。この合計は、1000cc.。即ち、意識して水を摂る必要はなく、普段の生活スタ
 イルで、1000ccが補給される。こまめに水を摂るは頻尿を招く。

 ・おしっこは、我慢する。2~3時間は我慢する。結果、膀胱を鍛える事になる。骨盤底筋体操(肛門を締める)は、膀胱の血流を良くする。
  3ヶ月やらないと効果が出ない。

 ・お薦めは、・適切な水分量、一日1000cc.。・尿我慢。・良い睡眠(肉体的疲労、30分以下の昼寝、寝る前は照明を落とす)。排尿日誌を
  つけることお薦め。


「健康寿命を延ばすために、「低栄養を防ぐ食事」」 

 ・平均寿命(0歳児の平均余命)   男 81歳 女 87歳
  健康寿命平均(自立した生活)   男 71歳 女 74歳

 ・低栄養は、 ・体力、免疫力の低下を招き→寝たきりに繋がる。
        ・エネルギー不足→筋肉の低下を招き→転倒→骨折に繋がる

 ・低栄養か否かの判断
  1.BMI値(体重/身長/身長) 18.5未満は低栄養。70歳以上の標準BMIは、21.5~24.9
  2.体重の変化 6ヶ月で2~3kgの体重減少は要注意
  3.血液検査 血清アルブミン 3.8g/dl 以下は要注意  (血液中のたんぱく質の一種 小生の値:4.5)  
          総コレステロール 150mg/dl  々        (小生の値:231)
          血中ヘモグロビン 10g/dl    々        (小生の値:15.4)     

 ・必要エネルギー量 70歳以上の男性で、2200キロカロリー/日
      (コンビニ弁当: 幕の内弁当 740kcal、 洋食ミックス弁当 900kcal、 ご飯一杯 200kcal
       外食: チャーシュウ麺 850kcal レバニラ炒め定食 750kcal、 ミートソーススパゲティ 710kcal   )
 
  必要たんぱく質量 50~60g/日 (運動量で変わるが基本的には、体重の1000分の1  
      (赤身ステーキ 100g たんぱく質 20g、 鯵切身一尾 たんぱく質量 20g、 納豆ワンパック 7g、 卵 6g )
        
 ・食事のポイント
  1.朝・昼・夕 三回の食事。
  2.バランスの良い食事。主食(炭水化物)
                主菜(たんぱく質・脂肪。肉、魚、卵等動物性たんぱく質、納豆、大豆、豆腐等植物性たんぱく質)
                副菜(ビタミン、ミネラル、植物繊維、汁物)
  3.牛乳、果物を摂る。牛乳、ヨーグルト一日一杯。
  4.エネルギー不足に注意。油を使う。こまめに少しづつ食べる。

 要は、体重を定期的に測り体重の変化に注意する。主食、主菜、副菜をバランスよく、一日三回こまめに食べる。


 「認知症ケアのポイント」

 (認知症とは)
   ・複雑性注意(同時に二つ以上に注意を向ける)、遂行能力、学習と記憶、言語、知覚、運動、社会的認知(外出とか、社会への関心)
    の面で以前の水準から有意(あきらか)な認知の低下がある事。

 (高齢化と、認知症の現状)
   ・65歳以上の人口割合は、1930年は総人口の4.8%が、2016年、27.3%に。4人に1人が高齢者の現状。
   ・高齢化に伴い、認知症の患者数がさらに膨らんでいく。2015年、65歳以上の内、16%の人、525万人が認知症患者。 2025年には、
    20%の人、700万人が認知症患者、5人に1人が認知症患者と云われる。
 
 (認知症の種類)
   ・認知症には、アルツハイマー型認知症(全体の50%)、脳血管性認知症(20%)、レビー小体型認知症(脳に異常 蛋白が蓄積)(20%)、
    前頭側頭型認知症、他(10%)    があり、何れも大脳の神経細胞の著しい脱落、海馬(記憶 機能を司る)の委縮が原因。
   ・アルツハイマー型認知症の原因として、異常蛋白のアミロイドβタンパク質が脳に蓄積することが深く関係している と云われ、物忘れ等 
    の初期の認知症から、中期以     降(例えば、20年経って)から徘徊、不潔行為等の認知症が現れてくる。

 (認知症のサイン)
   ・認知症のサインとしては、笑顔が減る、活気が無い、意味もなく怒る、性格が変わった、外出を厭がる、何度も同じ事を云う等がある。
   ・物忘れと、認知症は違う。物忘れは、一部を忘れること。認知症は、全体を忘れること。  

 (認知症ケアのポイント)
   ・認知症患者は、本人も何か変だと気付いている。認知症である事を、家族と共に受け入れる事が大切。
   ・認知症患者本人を変えようとしない、否定しない事。共感的態度、肯定的話題で接する事が大切。本人の 注意力が落ちている
    ので、話す時はアイコンタクトを保つ事が大切。
   ・「DIPEX JAPAN」と云う、本人、患者しか語れない「語りのサイト」が大変参考になるので是非覗くのがお薦め。


「納得できる旅立ちのために」 -老いや病と折り合いをつけながら-    (日本エンドオブライフ学会主催)

 50年前の平均寿命は、男、65歳、女、70歳だった。今、人生90年、100年時代を迎え、長い老後をただ生きるだけでなく、
 どう生きるか、そしてどう納得して旅立つか自分なりに決める必要がある。

 医療には限界がある事を知る。病気の進行具合、合併症を知り、自分の価値観や死生観に基づいた「治療」を選択する。家族や医療機関に
 自分の考えを伝え、理解してもらうため、良いコミュニケーションをとる。最後についても考え、場所も含めてイメージを持ち、周りとも
 話し合っておく。

 寿命がきて、死ぬを目指す。人生最後の大仕事。


「最先端の心血管カテーテル治療」

「認知症とオーラルケア」

 日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計され、認知症の前段階とされる軽度認知障害と
 推計される約400万人と合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群ということになる。

 高齢期の老年症候群には、早期発見、早期対処で、治療でなく適切な支援で、不安と混乱を最少にし、その人らしく。

 良好な口腔ケアで、なるべく長く口から、何でも美味しく食べる事が、認知症の予防にも。掛かり付け歯科医が居ると、寿命が延びる。

 認知症予防には、地中海式食事を。
  ・毎日食べるべきものは、全粒穀物(玄米、全麦パン、オートミール等)、野菜、果物、オリーブオイル、乳製品。
  ・週単位で食べるべきものは、魚、鶏肉、豆類、じゃがいも、卵。
  ・月単位で食べるべきものは、豚肉や牛肉。


「スピリチュアルペインという痛み~聖路加国際病院にあるもう一つの心のケア」 

 スピリチュアルペインとは、生きる為の力が壊れて、生きる意味・人生の価値(生きている意味はあるのか?私の人生は何だったのか?)に
 関する悩み、死の悩みに伴う痛み。スピリチュアルな問題が解決された状態を健康と云う。

 スピリチュアルペイン(魂の痛み)は、肉体的痛み、精神的痛み(不安や恐怖、怒り、鬱などこころの痛み)、社会的痛み(地域社会、会社、
 対人関連での痛み)と違い、外からの助けを得られにくい痛みであり、唯一、ご本人の内部で解決が必要になってくる痛み。

 スピリチュアルペインを抱えた人の価値観、信念がなんであるか洞察し寄り添っていくのが、スピリチュアルケア。

 聖路加チャペルには、チャプレン室が二部屋あり、何時でもチャプレン(牧師)のケアを受けられる。


健康長寿~ピンコロリをめざそう~ 

 健康長寿とは、ただ長く生きるのでなく、最後まで人の世話にならないで、元気で長く生きる事。最後まで元気でコロリと逝くこと、ピンコロリ。
      
      (2016)   平均寿命  健康寿命     差
       男       81      72      9
       女       87      75      12

 健康長寿のために大切な事
  1 健やかな生活習慣を身につけること
     健康を決める要因は、生活習慣が50%、遺伝が20%、環境が20%、医療が10%。食生活(ローカロリーダイエット、糖質を減らす、
     塩分控えめ、脂肪は少なく、野菜多め、肉少なく)、運動、禁煙、節酒、7~8時間睡眠、ストレスに留意した生活習慣。
  2. 病気を予防
     健診、生活習慣を見直す
  3. 老化を前向きに考える
     老いを肯定的に。60歳、70歳から本当の人生が始まる。自分の声を聞く。精神的健康度は、90歳を超えると上がってくる(老年的超越)。
  4. 生きがいをもつ
     健康には三つある。身体的健康、社会的健康(他人、社会との関係)、精神的健康。精神的健康が重要。感謝の気持ちが病気を治す。
  5. ピンコロリをめざすこと
     長生きする程、寝たきりの期間は短い。人生の最後の準備。死を忘れない。どういう形で最後を迎えたいかを文書で残す。


「人生会議」って知ってますか?  (聖路加国際大学教授 山田雅子 2020.1.28)

 ・万が一の時に備えて、あなたが望む医療やケアについて、前もって考え、繰り返し(心身の状態に応じて意志は変化することがあるため何度でも)
  話し合い、共有する組織を「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」と呼ぶ。
   患者本人の気がかりや意向、患者の価値観や目標、病状や予後の理解、治療や療養に関する意向や選考やその提供体制も議論されねば
  ならない。
 ・終末医療として、気管挿管、人工呼吸器の使用など延命を最も重視した治療か、心身に辛さ、負担を伴う処置までは希望しないが、出来る限りの
  症状緩和のための治療か、延命効果を期待するよりは、出来る限りの苦痛の緩和や快適な暮らしを大切にした治療かのどれを選ぶか。
   あなたの心身の状態に応じて、かかりつけ医等からあなたや家族などへの適切な情報の提供と説明がなされることが重要。

 ・(小生のかかりつけ医は、「経管栄養処置後でも回復し退院する患者の居るので軽々に経管栄養は駄目と判断しては駄目」と言明された)
 




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