手控え
 「怒り」と上手に付き合う方法 (20.1.25 アンガーマネジメント協会 須藤康彦  中央区立女性センター)

 ・怒りは、人間の自然な感情での一つで、なくすことは不可能。
 ・怒りは、第二次感情で、怒りの原因となる一次感情、例えば、嫌だ、不快、辛い等々の感情がある。
 ・怒りは、自分の勝手に作り上げた常識(常識とは、18歳迄に身に着けた偏見のコレクション(シュバイツァ‐))に振り
  廻されている事もある事を十分認識する。
 ・「怒り」にたいする対策。
 ・落ち着く言葉を、例えば、それで良いのだ等々を、自分なりに唱える。
 ・許すゾーンを拡げる。
 ・自分がコントロール出来ない事への怒りかどうかを考える。コントロール出来ない事への怒りは、その度合いを低める。


「加齢による認知機能の変化と認知症」 (22.11.26 聖路加国際病院 脳神経内科部長 木村哲也)

 
 ・知能の発達のピークーは、60歳代頃。低下が加速するのは80代後半から90歳に入ってから。
 ・認知症の種類と割合。アルツハイマー型(50%)、レビー小体型(ex.パーキンソン)(20%)、脳血管性(15%)、他(15%)
 ・認知症の9大法則と1原則
  (9大法則)  1.ごく最近の記憶から失われていく
        2.身近の人に対して、症状が強く出る
        3.自分にとって不利な事は認めない
        4.症状が進行しても、しっかりとした部分は残っている
        5.出来事は忘れても、感情は残る
        6.一つの事にこだわりが強くなる
        7.強い対応をすると、相手からも強い対応が返ってくる
        8.相手の立場に立てば、大抵の事は理解できる
        9.認知症の人の老化スピードは速い
  (1原則) 認知症の人の築いている世界を理解し、尊重する事が大事
   
 ・認知症にならないための10箇条
  1.運動(1日1時間のウォーキンク)
  2.睡眠(睡眠はアミロイドβ(アルツハイマー型認知症に繋がる)の蓄積を低下させる)
  3.頭部外傷に注意
  4.適度のアルコール(一日一合)
  5.動脈硬化に注意
  6.糖尿病
  7.中年期のメタボ(高齢期のメタボは無関係)
  8.ウコン、DHA、EPA等
  9.性ホルモンの影響(乳癌、子宮癌のリスク上昇)
  10.手指の運動

 ・認知症の世界を理解する
 ・記憶障害の特徴である何度も同じことを繰り返す。 
 ・感情的なシコリは強く残るので感情的シコリは残さない
 ・自分を守る本能は残っているので、不利な事は認めない

 ・認知症症状例と、その対応例
  ・夕暮れ症候群(夕方になると「家に帰る」と云われる)。
   (その対応例) 
    ・ 「今日はもう暗いので明日の朝送ってあげます」と注意をそらす
    ・「自宅に誘導する」一緒に帰ろうと自宅の周辺を散歩し、到着しましたよと自宅に戻る 
  
  ・徘徊
   ・徘徊は、目的なく歩き廻っているのでなく、何らかの目的や動機をもとに行われた行為である場合が多く、
   受容する気持ちを持った接し方が大切。
   ・徘徊は何故起こるか 
   (理由1)記憶力の低下(行動開始時にあった目的が、記憶障害などにより分からなくなり徘徊がおきる)
   (理由2)判断力の低下(判断力が低下するため、迷子になった時の対処の仕方が分からなくなる
   (理由3)居場所が分からない(自分の居場所が分からなくなる事があり、不安が強まりあちこち歩き回る)

   (その対応例) 
    ・近所の人や交番に事情を話しておく
    ・連絡先が分かるように、洋服のタグ等に連絡先を記入する

  ・幻覚
   ・幻覚は、訂正不能な誤った確信で、訂正や説明は期待できないと理解する
   ・幻の同居人
   (その対応例)本人には実際に見えたり聞こえたりしているので、否定せずに本人が安心するような受け
            答えをする。照明を変えてみる。テレビ・ラジオ等の刺激を取り除く
   ・替え玉妄想(家族が偽物に置き換わっているという妄想
   (対応例)一旦出て行って、電話を入れてから帰宅する
   ・もの盗られ妄想。記憶障害、心細さが原因で、身近で世話する人が犯人扱いされる。
   (その対応例)聞き役は「盗った」介護者では駄目。理屈や言い返しは駄目。否定したり、怒ったりせず
       訴えを丁寧に聞く。共感したり、うなずく等の態度が安心させる。味方役を作り、一緒に探す。
       「おやつを食べてから探しませんか」等と、関心や話題を別の物に向かわせ、一呼吸置くと
       忘れてしまうことがある。    

  ・拒否
   ・食事、入浴、介護にすべて抵抗をしめす
   (その対応例)その場は、無理強いをするのでなく、本人の要求に耳を傾け、可能であれば、その通りに
          してあげる。本人が落ち着いたとことで再び声をかけて試みる

  ・興奮・攻撃性
   ・自分の行動を注意されたり、不快な事があると急に怒り出し、暴力に及ぶこともある。
   (その対応例)あわてず、落ち着いた対応が求められる。話題や状況を変えるなどをし、駄目を巧妙に。
          興奮が続くようであれば、医師に相談。


 


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