散策
松方コレクション展(19.9.13)
上野、国立西洋美術館開館60周年記念、松方コレクション展を訪れる。

プロローグとして,修復された「睡蓮」で迎えられ,ロンドン・パリ時代,第一・第二次世界大戦時代等,8ブロックに分けて,松方コレクションの百年の奇跡を辿り,エピローグとして,1916年の上半分が失われた睡蓮,柳の反映で終わる。

エピローグの睡蓮を見てから、大勢の来館者を掻き分け、最初の修復された睡蓮まで戻ったほど感銘を受けた。教科書でしかお目にかかっていなかった数々の名作に触れて、絵画・彫刻で感動したのは初めて。
デジタル修復された,クロード・モネ 「睡蓮,柳の反映」。98年前,松方がモネから直接譲り受けた連作「睡蓮」の中の一点。2016年,ルーブル美術館の一角で、画布の上半分が失われた状態で発見された。
神戸の川崎造船所(現川崎重工株式会社)の社長、松方幸次郎(1866-1950)は、1916-1927年頃、パリやロンドンでモネ、ゴーガン、ゴッホ、セザンヌからロダンの彫刻、多様な時代・地域・ジャンルからなる一万点に及ぶ美術品を買い集めた。
しかし、1927年世界金融恐慌によって造船所は経営破綻に陥り、日本に到達していた作品群は売り立てられ、ヨーロッパに残っていた作品一部も火災で焼失したり、フランス政府に接収された。終戦後、フランスから返還された375点の作品を収めるために上野の国立西洋美術館が、1959年に建てられた。

松方幸次郎は、東大初の学生運動の首謀者として退学処分にもなった破天荒な人物で、首相を務める父親の秘書を務めたりしていたが、川崎財閥の創始者、川崎正蔵に見込まれて、川崎造船所の社長に抜擢された。ロンドン駐在時、日本海軍からドイツのUボートの設計図を手に入れるようスパイのような事もしていたとの話もある。

国立西洋美術館開館60周年を記念して、国内外に散逸した名作も含めた作品約155点と歴史資料が、今回松方コレクション展として開催された。

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