読書ノート

(本タイトルのフォント青色の書籍が、私の好きな「100冊の本」候補)

2010.2

「The Catcher in the Rye」
J.D.Salinger 著
白水社刊 村上春樹訳

2010.2.1 
著者サリンジャー死亡の記事を見てこの本を読む。ともかく、読むのに忍耐力が要った。世界的ベストセラーとの知識がなかったら最初の数十ページで閉じていたと思う。何時、話しの展開が変わるのだろうかとの気持ちで何とか最後まで読んだが何の感動も残らなかった。サリンジャーがこの本の中で「良い小説とは読後、作者に電話したくなる小説」と言っているが、電話したいとは思わなかった。

神、この人間的なもの
なだいなだ 著
岩波新書刊

2010.2.5
癌宣告を受け、頭から「死」が離れなくなり、図書館の宗教、哲学の棚からなんとなく、この本を取り出した。

作者と同じように精神科医になった学友との対談形式で書かれた本。その学友は学生時代、死の宣告と同じであった結核の宣告を受けカトリックに入信した。宗教(教義)から引っ張られて入信するのでなく、自分自身の不安と絶望に後ろから押されて宗教に出会い、同じ仲間と知り合う事で、絶望から救われ安心を得る形で入信。人間、健康面、経済面他、色々な意味で他人が羨ましくなるとまわりの人間を拒否し、ますます孤独になっていく。その孤独が恐ろしいのだ。人間、不安の根源は一人にされるという恐怖だろうと、その彼は言う。ただ彼は、その後、「人間が不安になる根源の理由は、生きているからだ。だから生きている以上は不安になって当たり前。じたばたしても無駄だ。それよりも現実を受け入れて背負っていけ」と考えるようになった。 
野口雨情童謡集
藤田圭雄編
彌生書房刊

2010.2.8
野口雨情、生誕の家近くの温泉宿「山海館」で読む。声を上げて読みたくなる本、心寂しい時に読みたくなる本だ。
「祝 宴」
ディック・フランシス 著
早川書房刊 北野寿美枝訳

2010.2.22
著者、ディック・フランシス死亡記事を読んでこの本を。用意周到とは、この本の事を云うのだろう。一つの物語を作るのに大変な準備が要るんだを知らされる。ストーリーの展開も面白く最後まで楽しく読まさせてくれる。
「1Q84」 Book1<4月-6月>、Book2<7月-9月>
村上春樹著
新潮社刊

2010.24
書棚に残して置かなくてはと思う本。物語の奇抜な展開もさることながら、著者が言うように「文章の巧みさで読者は引きずり込まれてページを繰ってしまう」まさにそれ。評判になった「ノルウェイの森」も読みたくなった。

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